TOHOKU UNIVERSITY

Seki Lab (Magnetic Materials), IMR

To Students / 学生のみなさんへ

東北大学大学院・工学研究科・知能デバイス材料学専攻の協力講座として、大学院生を受け入れています!

1. はじめに

 本研究室は、2023年12月に発足した新しい研究室です。磁石の性質をもつ材料、磁気の根源である電子のスピンの流れ(スピン流)を作り出す材料などの「磁性材料」を対象として実験研究をしています。磁性材料は,永久磁石や磁心などのマクロなサイズから、磁気ランダムアクセスメモリや磁気記録を構成するミクロなデバイスまで幅広く応用されています。現在我々が直面しているIoT/AI社会の課題やエネルギー・環境問題に対しても、磁性材料はキーマテリアルであり、中でもスピン流を作り出したり検出したりできるスピントロニクス材料は、半導体エレクトロニクスの今後の発展を支える材料として期待されています。本研究室は、薄膜成長の技術や電子線を使った微細加工技術を駆使することで、磁性材料をナノ構造化・複合化することを得意としています。ナノ構造化・複合化によって生まれる新たな機能性を追求することで、先端磁気デバイスに役立つ材料の開発とその基礎となる物理現象の解明に取り組んでいます。

2. 研究室の方針と特徴

・新しい研究室ですので、研究室の雰囲気をイチから作ることができます。
・試料の作製(薄膜成長や微細加工)から評価(構造解析、磁化測定、輸送測定など)まで、研究室内で一貫して行うことができる環境を整えています。各自のペースに合わせて実験を計画し、自主的に研究を進められる能力が身に付くようにサポートします。学生数に対するスタッフ数や実験設備の数が多いので、研究生活に不自由することはありません。
・輪講形式の基礎ゼミで磁性・磁気工学の基礎を勉強します。配属前は磁性に関する知識がなくても心配はいりません。
・研究室スタッフとの個別のディスカッションと、研究室セミナーを原則毎月行います。研究の進捗を報告し、実験結果や今後の計画について議論します。論理的に思考する能力を養ってもらうとともに、論文執筆能力やプレゼンテーションのスキルも身に付けてもらいます。
・研究成果については、国内学会、国際学会や学術論文で発表してもらいます。国内外における一線級の研究者の方々とのコミュニケーションは、大きな刺激になると思います。
・世界中から研究者や学生が訪れる国際的なコラボレーションの場を提供しています。また、逆に我々が国内の別機関や海外の大学に実験滞在することもあります。こうした多様なバックグラウンドを持つ人々との交流は、新たな発見や刺激、そして自身の視野の拡大に繋がります。
・そして、何よりも研究を楽しんでもらいます。

3. 研究の醍醐味

 世の中の人々が「わからない・知らない・解決できていない」からこそ研究するのであって、研究には予期しないハプニングや困難が付き纏います。挫折しそうになることも少なくないですが、自身の力でその困難をほんの少しでも乗り越えることができた時、その達成感は格別です。自分以外の人は知らない実験事実、自分しか作れない材料やデバイス、世界中で唯一の可能性。そんな研究の面白さを、ぜひ本研究室で学生生活を送りながら、味わってもらいたいと考えています。

・東北大学工学部マテリアル開発系の学部4年生は、大学院入試に合格した後、本研究室を希望することができます。
・他大学から大学院入学を希望する学生も受け入れています。
・博士後期課程への進学も歓迎します。
・日本学術振興会の特別研究員やGP-Spin等の学位プログラムによる経済支援の実績もあります。

興味を持ってくれた学生さんは、まずは遠慮なく関までコンタクトをしてみてください。

2024年4月
磁性材料学研究部門・教授  関 剛斎